贈り物を渡したり送ったりするとき、「手紙を添えたほうがよいの?」「一筆箋とメッセージカードのどちらを使えばよい?」と迷うことがあります。
贈り物に添える文章は、必ずしも長い手紙である必要はありません。
親しい相手への気軽な贈り物ならメッセージカード、少し丁寧に気持ちを伝えるなら一筆箋、改まった相手や大切な用件なら便箋を使った手紙が向いています。
この記事では、贈り物に添える手紙の基本的な書き方と、メッセージカード・一筆箋・便箋の使い分けを解説します。
お礼、お裾分け、季節の贈り物など、目的や相手に合った専門記事も案内しています。
贈る目的や相手から文例を選ぶ
贈り物に添える文章は、贈る目的や相手との関係によって変わります。
詳しい文例を探している方は、次の記事から目的に合うものを選んでください。
目的から選ぶ
相手から選ぶ
贈り物に手紙や一筆を添える意味
贈り物だけを渡しても、ただちに失礼になるわけではありません。
ただし、品物だけでは、何のために贈ったのかが十分に伝わらないことがあります。
短い文章でも一筆添えると、次のようなことを伝えられます。
・贈り物を選んだ理由
・お礼やお祝いなど、贈る目的
・相手を気遣う気持ち
・品物の食べ方や使い方
たとえば、お菓子を送る場合でも、「皆さまで召し上がってください」と書き添えるだけで、相手を思って選んだことが伝わります。
高価な贈り物ほど長い手紙が必要というわけではありません。
大切なのは、品物を贈る目的と、相手との関係に合った言葉を選ぶことです。
簡単な添え状と正式な手紙は役割が違う
贈り物に添える文章には、短い一言から正式な手紙まであります。
お裾分けやお土産に添える文章なら、メッセージカードや一筆箋で十分です。
一方、目上の人への改まった贈答や、特にお世話になったことへのお礼では、便箋と封筒を使った手紙を別に送ることもあります。
正式なお礼状の構成や頭語・結語については、お礼状の書き方【基本ガイド】で詳しく解説しています。
贈り物には何を添える?カード・一筆箋・便箋の使い分け
贈り物に添える文章を書くときは、文章の長さだけでなく、相手や贈る目的から用紙を選びます。
大まかな目安は次のとおりです。
短い一言を気軽に伝えたい
メッセージカードが向いています。
数行で丁寧に気持ちを伝えたい
一筆箋が向いています。
改まった相手へ、きちんとした文章を送りたい
便箋と封筒を使った手紙が向いています。
添え状とは用紙の名前ではなく役割を表す言葉
「添え状」と「一筆箋」のどちらを使えばよいのか、迷うことがあります。
この記事でいう添え状とは、贈り物や荷物に添えて、送った目的や内容を伝える文章のことです。
一筆箋は、短い文章を書くための用紙です。
つまり、一筆箋に書いた文章を、贈り物の添え状として使うことがあります。
添え状と一筆箋は、どちらか一方を選ぶものではありません。
「添え状」は文章の役割、「一筆箋」は文章を書く用紙と考えると分かりやすいでしょう。
メッセージカードが向いている場合
メッセージカードは、一言から数行程度の短い文章に向いています。
次のような場面で使いやすいでしょう。
・誕生日や記念日のプレゼント
・友人へのお土産や差し入れ
・家族や親しい親戚への贈り物
・手渡しする小さな品物
カードのデザインは、贈り物や相手の好みに合わせて選べます。
ただし、上司や年長の親戚など、礼儀を重視したい相手には、華美すぎない落ち着いたものが安心です。
一筆箋が向いている場合
一筆箋は、メッセージカードよりも丁寧に、便箋ほど堅苦しくなく気持ちを伝えられます。
次のような場面に向いています。
・親戚へのお裾分けや季節の贈り物
・上司や知人へのちょっとした贈り物
・品物を郵送するときの簡単な挨拶
・お礼やお返しに添える短い文章
文章は、3~5行程度を目安にすると読みやすくなります。
一筆箋の縦書き・横書きや封筒の使い方については、一筆箋の基本マナーと書き方をご覧ください。
便箋と封筒を使う手紙が向いている場合
改まった内容や、伝えたいことが多い場合は、便箋と封筒を使います。
たとえば、次のような場合です。
・特にお世話になった人へ感謝を伝える
・取引先や恩師などへ正式な贈り物をする
・贈り物を選んだ理由や近況を詳しく伝える
・品物とは別に手紙を郵送する
便箋を使う場合は、書き出し、本文、結びという手紙の流れを意識します。
ただし、日常的なお裾分けや友人へのお土産に、無理に正式な手紙を付ける必要はありません。
贈り物に添える手紙の基本的な書き方
短い添え状は、決まった形式どおりに書かなければならないものではありません。
次の順序で考えると、自然な文章を作れます。
1.相手の名前や呼びかけ
最初に相手の名前を書きます。
親しい相手なら「〇〇さんへ」、改まった相手なら「〇〇様」とします。
小さなメッセージカードでは、宛名を省略することもあります。
ただし、複数の人へ同時に贈り物を渡す場合は、誰宛てか分かるように名前を書きましょう。
2.挨拶や相手への気遣い
親しい相手なら、短い挨拶から始めます。
「お元気ですか」
「その後、いかがお過ごしでしょうか」
「いつもありがとうございます」
一筆箋では、必ずしも時候の挨拶を入れる必要はありません。
正式な手紙では、相手や季節に合った挨拶を使うと丁寧です。
3.贈る目的や理由
何のために品物を贈るのかを書きます。
「旅行のお土産をお送りします」
「旬の果物が手に入りましたので、お裾分けいたします」
「日頃の感謝を込めて、品をお贈りします」
贈る理由が分かると、相手も安心して受け取れます。
お礼の品を送る場合は、何に対するお礼なのかを具体的に書くと、感謝が伝わりやすくなります。
詳しい書き方は、お礼の品を送るときの手紙の書き方と文例で紹介しています。
4.品物についての一言
品物の特徴や、選んだ理由を簡潔に書きます。
「地元で評判のお菓子です」
「お好きだと伺ったので選びました」
「皆さまで召し上がっていただければ幸いです」
食べ物の場合は、保存方法や賞味期限について伝える必要があれば、一言添えてもよいでしょう。
5.相手を気遣う言葉
文章の最後には、相手を気遣う言葉や結びの挨拶を入れます。
「どうぞお体を大切にお過ごしください」
「お口に合えば嬉しく思います」
「今後ともよろしくお願いいたします」
気軽な贈り物なら、「よかったら受け取ってください」のような自然な言葉でも構いません。
6.差出人の名前
最後に自分の名前を書きます。
家族で贈る場合は、「〇〇家一同」「〇〇・〇〇」のように、誰からの贈り物か分かる形にします。
基本的な文章の形
〇〇様
その後、いかがお過ごしでしょうか。
旬の果物が手に入りましたので、心ばかりですがお送りします。
皆さまで召し上がっていただければ幸いです。
どうぞお体を大切にお過ごしください。
〇〇
「心ばかり」は、品物を控えめに表現するときに使える言葉です。
目上の人への使い方や言い換えについては、「心ばかりの品ですが」の意味と使い方をご確認ください。
手渡し・同封・別送はどう使い分ける?
贈り物に添える文章の渡し方には、手渡し、同封、別送があります。
どの方法が適しているかは、品物の渡し方と手紙の内容によって変わります。
手渡しするとき
贈り物を直接渡す場合は、メッセージカードや一筆箋を品物に添えます。
手渡しの際に言葉で目的を伝えられるため、文章は短くても構いません。
たとえば、次のような一言で十分です。
「先日はありがとうございました。ほんの気持ちですが、お受け取りください」
品物の包装にカードを差し込む場合は、落ちたり紛失したりしないように注意しましょう。
品物と一緒に送るとき
品物を配送する場合は、箱の中や包装に簡単な添え状を付ける方法があります。
文章には、次の内容を簡潔に書きます。
・品物を送った理由
・品物についての説明
・相手への挨拶や気遣い
店舗から相手へ直接配送してもらう場合は、店舗のメッセージカードサービスを利用する方法もあります。
カードを付けられない場合は、手紙やはがきを別に送ると丁寧です。
正式な手紙を別送するとき
改まった手紙や、文章が長くなる場合は、品物とは別に郵送します。
次のような場合は、別送が向いています。
・上司、恩師、取引先などへ正式な贈り物をする
・お礼やお祝いの気持ちを詳しく伝える
・店舗から品物を直接配送する
・品物に手紙を入れられない
手紙が品物より大幅に遅れないよう、近い時期に届くように送ります。
手紙の中で「本日、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました」などと伝えておくと、相手にも分かりやすいでしょう。
宅配便に添える手紙は信書に注意する
荷物と一緒に手紙を送るときは、利用する配送サービスの規定を確認する必要があります。
日本郵便では、ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストで信書を送ることはできません。
ただし、送る品物に関係する簡単な挨拶状など、無封の添え状・送り状は同封できます。
「無封」とは、封筒に入れていない状態や、封筒の口を閉じていない状態などを指します。
品物とは関係のない長い手紙や、封をした正式な手紙は、郵便で別送するのが安心です。
利用するサービスによって取り扱いが異なることがあるため、発送前に配送会社の案内を確認してください。
贈る目的に合った専門記事を選ぶ
ここからは、贈り物の目的別に、適した文章と詳しい専門記事を紹介します。
お世話になった人へお礼の品を送る
お世話になった人へ品物を送る場合は、最初に感謝を伝えます。
何に対するお礼なのかを具体的に書いたあと、品物を送ったことを伝えると自然です。
例:
先日は温かいお心遣いをいただき、ありがとうございました。感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします。
お礼の品に添える手紙については、感謝が伝わる書き方と相手別・場面別の文例をご覧ください。
短い一言だけ添える
小さな贈り物や手渡しの品には、短い一言でも十分です。
例:
ほんの気持ちですが、お受け取りください。
お口に合えば嬉しく思います。
皆さまでお楽しみください。
相手や場面に合う短文は、ちょっとしたお礼の品に添える一言文例にまとめています。
お菓子や菓子折りに一筆箋を添える
お菓子や菓子折りには、贈った理由と、誰に食べてもらいたいかを添えると自然です。
例:
地元で評判のお菓子です。皆さまで召し上がっていただければ幸いです。
お礼として菓子折りを送る場合は、お礼の品を送るときの手紙が参考になります。
友人へのお土産や差し入れなら、友人・知人への贈り物に添える手紙文例から、関係に合う表現を選んでください。
上司や仕事関係の人に贈る場合は、上司・目上の人向けの手紙文例で丁寧な言い回しを確認できます。
贈り物以外の荷物に一言添える
書類、借りていた物、忘れ物、衣類などを送る場合は、贈り物とは文章の目的が異なります。
荷物の内容と送った理由を、簡潔に伝えましょう。
例:
先日お借りした本をお返しします。長い間ありがとうございました。
荷物の種類ごとの文例は、荷物に添える手紙の例文集で紹介しています。
「心ばかり」の使い方を確認する
「心ばかりの品ですが」は、贈り物を控えめに表す言葉です。
上司や目上の人にも使えますが、高価な品を贈る場合や、軽い日常会話では不自然になることがあります。
また、親しい友人には、「ほんの気持ちです」「ちょっとしたものですが」のほうが自然な場合もあります。
使える場面や言い換えは、「心ばかり」の意味・使い方・例文で詳しく解説しています。
相手別|贈り物に添える手紙の書き方と代表例
贈る目的が同じでも、相手との関係によって言葉遣いは変わります。
ここでは、親戚、上司、友人に贈る場合の違いを、代表的な文例で確認します。
親戚に贈る場合
親戚には、丁寧さを保ちながら、堅苦しくなりすぎない文章が向いています。
年長の親戚には敬語を使い、近しい相手には少し親しみのある表現を入れると自然です。
親戚への文例
その後、お変わりなくお過ごしでしょうか。旬の果物が手に入りましたので、お裾分けいたします。皆さまで召し上がっていただければ嬉しく思います。
お裾分け、お祝い返し、お中元・お歳暮などの文例は、親戚への贈り物に添える手紙文例をご覧ください。
上司・目上の人に贈る場合
上司や目上の人には、くだけすぎない丁寧な表現を使います。
品物を直接的に勧めるよりも、「お納めください」「お受け取りいただければ幸いです」などの表現が使いやすいでしょう。
上司・目上の人への文例
日頃より温かいご指導をいただき、誠にありがとうございます。心ばかりの品ではございますが、お贈りいたします。お納めいただければ幸いです。
季節の贈り物、退職・異動、お祝い返しなどの文例は、上司・目上の人への贈り物に添える手紙文例にまとめています。
友人・知人に贈る場合
友人や知人には、普段の関係に合った自然な言葉を選びます。
丁寧にしようとして、普段使わない堅い表現を入れすぎると、かえってよそよそしく感じられることがあります。
友人・知人への文例
旅行のお土産です。好きそうだと思って選びました。よかったら受け取ってください。
誕生日、差し入れ、お土産、お礼などの文例は、友人・知人への贈り物に添える手紙文例をご覧ください。
贈り物に添える手紙のよくある質問
贈り物だけを渡すのは失礼ですか?
贈り物だけを渡しても、必ずしも失礼ではありません。
直接会って贈る理由を伝えられる場合や、誕生日プレゼントのように目的が明らかな場合は、手紙がなくても気持ちは伝わります。
ただし、配送で突然品物が届く場合は、短い一言でも添えたほうが、相手が安心して受け取れます。
一筆箋だけでは失礼になりますか?
気軽なお礼、お裾分け、お土産、季節の贈り物などは、一筆箋でも失礼にはなりません。
一方、取引先への正式な贈答や、特に大きなお世話を受けた場合は、便箋を使った手紙のほうが適しています。
文章の長さではなく、相手との関係と贈る目的から判断しましょう。
一筆箋は封筒に入れたほうがよいですか?
手渡しする場合や改まった相手に渡す場合は、封筒に入れると丁寧な印象になります。
品物の箱に添える場合は、カードのようにそのまま入れることもできます。
ただし、ゆうパックなどの荷物に同封する場合は、無封の添え状に関する条件があります。
ゆうパックなどの荷物に同封するため封筒に入れる場合は、封をせず、利用する配送サービスの規定を確認してください。
手書きでなければ失礼ですか?
必ずしも全文を手書きにする必要はありません。
仕事関係で同じ内容を複数の人へ送る場合などは、印刷した添え状を使うこともあります。
ただし、名前や最後の一言だけでも手書きにすると、気持ちが伝わりやすくなります。
手書きする場合は、上手に書くことよりも、読みやすく丁寧に書くことを心がけましょう。
時候の挨拶は必要ですか?
メッセージカードや一筆箋に書く短い文章では、時候の挨拶を省略しても構いません。
「お元気ですか」「いつもありがとうございます」など、自然な挨拶から始められます。
便箋を使った正式な手紙では、季節や相手に合った時候の挨拶を入れると丁寧です。
まとめ|贈る目的と相手に合う形を選ぼう
贈り物に添える文章は、長ければよいというものではありません。
短い一言でも、贈った理由や相手への気遣いが伝われば、品物だけを渡すより温かな印象になります。
気軽な贈り物にはメッセージカード、数行の丁寧な文章には一筆箋、改まった内容には便箋と封筒を使うのが目安です。
文面に迷ったときは、次の順序で考えてみましょう。
1.誰に贈るのか
2.何のために贈るのか
3.手渡し・同封・別送のどれにするのか
4.どの程度丁寧に伝える必要があるのか
基本的な選び方を決めたうえで、相手別・目的別の専門記事から文例を選ぶと、贈り物に合った自然な文章に整えられます。

