お世話になった方へお礼の品を送るときは、短くても手紙や一筆を添えると、品物を選んだ理由と感謝の気持ちが伝わります。
難しい言葉を並べる必要はありません。
基本は、次の3つを順番に書くだけです。
- 相手への感謝
- 何についてのお礼なのか
- お礼の品を送ること
すぐに使いたい場合は、次の文例を参考にしてください。
基本の文例|お礼の品を送ることまで伝える場合
先日は温かいお心遣いをいただき、ありがとうございました。おかげさまで大変助かりました。感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします。どうぞお納めください。
この記事では、お世話になった相手へ、感謝のしるしとして品物を送る側の手紙を扱います。
品物をいただいたこと自体へのお礼状については、詳しく扱いません。
お礼の品を送るときの手紙は3つの要素で書く
お礼の品に添える手紙は、長く書かなくても大丈夫です。
次の3つが入っていれば、短い文章でも用件と気持ちが伝わります。
1.最初に感謝を伝える
まず、何よりも先にお礼を伝えます。
使いやすい書き出し
- このたびは大変お世話になり、ありがとうございました。
- 先日は温かいお心遣いをいただき、心より感謝申し上げます。
- ご親切にしていただき、本当にありがとうございました。
2.何についてのお礼なのかを書く
次に、相手がしてくれたことに触れます。
具体的な内容を一言入れると、形式的な印象になりません。
お礼の理由を伝える一文
- おかげさまで、無事に乗り越えることができました。
- 親身になってご相談に乗っていただき、とても心強く感じました。
- あのときのお気遣いに、大変励まされました。
3.お礼の品を送ることを伝える
最後に、感謝のしるしとして品物を送ることを伝えます。
品物の価格や詳しい説明を書く必要はありません。
品物を送ることを伝える一文
- 感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします。
- 心ばかりの品ではございますが、どうぞお納めください。
- お礼のしるしとして品をお送りいたしましたので、お受け取りいただければ幸いです。
短いメッセージだけを添えたい場合
お礼の品を手渡しするときや、メッセージカードを添える場合は、1~3文程度の短い文章でも構いません。
短い文章でも、何についてのお礼を伝えるのかを一言入れると、形式的な印象にならず、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
たとえば、「先日はありがとうございました」だけで終わらせず、次のように具体的にします。
先日は子どもの送迎をしてくださり、ありがとうございました。とても助かりました。
お菓子、お土産、お裾分け、差し入れなどに添える短文や、親しい相手・近所の人・上司に使える一言は、ちょっとしたお礼の言葉例文50選|お礼の品に添える一言メッセージで紹介しています。
このあとの章では、感謝の理由や品物を送ることまで含めた、少しまとまりのある手紙の文例を紹介します。
場面別|お礼の品に添える手紙の文例
同じお礼の品でも、何について感謝しているのかによって文面は変わります。
ここでは、よくある場面に絞って紹介します。
手伝いや助けてもらったとき
このたびは急なお願いにもかかわらず、快くお力を貸していただき、本当にありがとうございました。おかげさまで無事に済ませることができました。感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします。
相談に乗ってもらったとき
先日は親身になってご相談に乗っていただき、ありがとうございました。温かいお言葉に励まされ、気持ちを整理することができました。心ばかりの品ですが、お礼のしるしとしてお納めください。
日頃のお世話へのお礼
いつも温かく見守っていただき、ありがとうございます。日頃の感謝の気持ちを込めて、ささやかな品をお送りします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
いただきものへのお返しの品を送る場合
先日は心のこもったお品をいただき、ありがとうございました。ありがたく頂戴いたしました。ほんの気持ちですが、お礼の品をお送りしますので、どうぞお受け取りください。
この文例は、いただきものへのお礼状そのものではなく、お返しの品に添える短い手紙です。
品物を受け取ったことへのお礼は、お返しの品を準備するまで待たず、先に電話や手紙などで伝えるとよいでしょう。
お返しは不要と伝える場合
先日は大変お世話になり、ありがとうございました。感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします。どうぞお気遣いなさいませんよう、そのままお受け取りいただければ幸いです。
親しい相手なら、次のようにやわらかく伝えられます。
ほんの気持ちなので、お返しなどは気にしないでくださいね。気軽に受け取ってもらえたら嬉しいです。
相手別|お礼の品を送るときの文例
相手別の文例は、それぞれの専門記事と重ならないよう、基本となる1例ずつに絞って紹介します。
上司・目上の人へ
日頃より温かいご指導を賜り、誠にありがとうございます。先日は親身にご助言いただき、大変励まされました。感謝の気持ちとして、心ばかりの品をお送りいたします。どうぞお納めください。
上司への贈り物では、相手との関係や贈る場面に合わせた丁寧さが必要です。詳しい文例は、贈り物に添える手紙文例【上司編】で紹介しています。
親戚へ
先日は温かいお心遣いをいただき、ありがとうございました。いつも気にかけていただき、心より感謝しております。ほんの気持ちですが、お礼の品をお送りします。皆さまで召し上がっていただければ嬉しいです。
お裾分けや季節の贈り物など、親戚向けの場面別文例は、贈り物に添える手紙文例【親戚編】をご覧ください。
友人・知人へ
この前は親身になって話を聞いてくれて、本当にありがとう。おかげで気持ちを整理することができ、とても心強かったです。感謝の気持ちを込めて、ささやかな品を送りました。気軽に受け取ってもらえたらうれしいです。
誕生日、お土産、お見舞いなど、友人との具体的な場面に合わせた文例は、友人・知人への贈り物に添える手紙文例で紹介しています。
お見舞いなどの文例は、贈り物に添える手紙文例【友人・知人向け】にまとめています。
取引先など仕事関係の相手へ
このたびは格別のお力添えを賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで滞りなく進めることができました。感謝のしるしとして、ささやかな品をお送りいたしました。ご受納いただければ幸いです。
仕事関係では、勤務先の規定や相手との関係によって、贈答品を受け取れないことがあります。品物を送る前に確認しておくと安心です。
ビジネス向けのお礼状をさらに確認したい場合は、ビジネスお礼状の例文と書き方も参考になります。
目上の人へ送る正式な手紙の全文例
目上の人へ改まった形でお礼の品を送る場合は、便箋を使った正式な手紙が向いています。
拝啓
時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
先日は、私どものために温かいお力添えを賜り、誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に事を進めることができ、心より安堵しております。親身になってお力を貸してくださったことに、改めて深く感謝申し上げます。
つきましては、感謝のしるしとして心ばかりの品をお送りいたしました。ご笑納いただければ幸いに存じます。
末筆ながら、〇〇様のますますのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
山田花子
佐藤一郎様
相手との関係によっては、頭語や時候の挨拶を省き、もう少しやわらかい手紙にしても構いません。
取引先へ送るビジネス向け全文例
会社から取引先へ改まったお礼を伝える場合は、手紙を先に送り、品物を別便で届ける方法があります。ここでは、手紙と品物を別送する場合の全文例を紹介します。
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇
営業部 〇〇〇〇様
株式会社△△
営業部 山田太郎
お礼の品送付のご挨拶
拝啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
先般は、〇〇に際し多大なるお力添えを賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで滞りなく進めることができました。
つきましては、日頃の感謝のしるしとして、別便にてささやかな品をお送りいたしました。ご受納いただければ幸いに存じます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
お礼の品に添える用紙と渡し方の目安
お礼の品に添える文章は、相手との関係や品物の渡し方に合わせて選びます。
・友人や親しい相手に手渡しする場合
1~3文程度のメッセージカードが向いています。
・親戚や知人へ品物を送る場合
カードより少し丁寧に書ける一筆箋が使いやすいでしょう。
・目上の人や取引先へ改まったお礼を伝える場合
便箋を使った正式な手紙を、品物とは別に郵送すると丁寧です。
手渡しでは、品物に短いカードや一筆箋を添えます。
荷物と一緒に送る場合は、品物に関係する簡単な挨拶を書きます。ゆうパックなどに同封するときは、利用する配送サービスが認めている無封の添え状・送り状の条件を確認してください。
正式な手紙を別送するときは、次のように品物を別便で送ったことを書きます。
別送するときの一文
なお、感謝のしるしとして、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。ご笑納いただければ幸いに存じます。
メッセージカード・一筆箋・便箋の詳しい使い分けや、手渡し・同封・別送の違いについては、贈り物に添える手紙・添え状の基本と使い分けで詳しく解説しています。
「心ばかり」「ささやかな品」「ご笑納」の使い分け
お礼の品を控えめに差し出す表現には、いくつか種類があります。
「心ばかりの品」は幅広く使いやすい
「心ばかり」は、品物の金額ではなく、気持ちを形にしたものであることを控えめに伝える表現です。
目上の人にも使えます。
心ばかりの品ではございますが、感謝のしるしとしてお納めください。
ただし、友人など親しい相手には、少し改まった印象になることがあります。
詳しい意味や場面別の使い方は、「心ばかり」の使い方と例文で解説しています。
「ささやかな品」は自然で使いやすい
「ささやかな品」は、相手を選びにくく、日常的なお礼にも使いやすい表現です。
感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします。
上司、親戚、知人のいずれにも使いやすく、言葉に迷ったときにも適しています。
「ご笑納ください」は改まった相手に使う
「ご笑納ください」は、つまらないものですが笑ってお納めください、という控えめな気持ちを表します。
目上の人や改まった手紙では使えますが、友人への短いカードでは、堅苦しく感じられることがあります。
心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。
相手や場面によっては、「お納めください」「お受け取りください」のほうが自然です。
「お納めください」は落ち着いた表現
「お納めください」は、品物を受け取ってほしいと丁寧に伝える表現です。
「ご笑納ください」より意味が分かりやすく、幅広い相手に使えます。
ささやかではございますが、どうぞお納めください。
「つまらないものですが」は無理に使わなくてよい
「つまらないものですが」は間違いではありませんが、品物を必要以上に低く表現しているように感じる人もいます。
迷ったときは、次の表現に言い換えると自然です。
- 心ばかりの品ですが
- ささやかな品ですが
- ほんの気持ちですが
- 感謝のしるしとして
お礼の品に添える手紙のマナー
感謝の理由を具体的に書く
「ありがとうございました」だけで終わらせず、何についてのお礼なのかを一言入れます。
具体的な出来事に触れると、定型文だけを使った印象が薄くなります。
品物の説明を長く書かない
品物の産地や価格、選んだ経緯を詳しく説明しすぎると、感謝よりも品物の話が目立ってしまいます。
「皆さまで召し上がってください」など、相手への一言を添える程度で十分です。
高価な品を強調しない
「高価な品を選びました」「有名な品です」などの説明は避けます。
お礼の手紙では、品物の価値よりも感謝の気持ちを中心にします。
相手との距離感に合う言葉を選ぶ
目上の人へは丁寧に、親しい友人へはやわらかく書きます。
普段の関係とかけ離れた表現を使うと、かえってよそよそしく感じられることがあります。
名前を忘れずに入れる
小さなカードでも、差出人の名前は忘れずに書きます。
家族から送る場合は、「山田太郎・花子」「山田家一同」など、誰からの品物か分かる形にします。
お礼の品に添える手紙のよくある質問
お礼の品だけを送るのは失礼ですか?
品物だけを送ったからといって、必ずしも失礼になるわけではありません。
ただし、短い一言でも添えると、何についてのお礼なのかが分かり、感謝が伝わりやすくなります。
手紙は長く書いたほうが丁寧ですか?
長さよりも、感謝の理由が具体的に書かれていることが大切です。
カードや一筆箋に短く添える場合は、1~3文程度でも十分です。感謝の理由や品物を送ることまで丁寧に伝えたい場合は、3~5文程度にまとめるとよいでしょう。
お礼の品に金額を書いてもよいですか?
通常は、品物の金額を書く必要はありません。
金額ではなく、相手への感謝と、品物を受け取ってほしい気持ちを書きます。
「お返しは不要です」と直接書いてもよいですか?
意味は伝わりますが、相手によっては強く感じられることがあります。
「どうぞお気遣いなさいませんよう」「そのままお受け取りいただければ幸いです」と書くと、やわらかく伝えられます。
品物をいただいたお礼状にも、この文例を使えますか?
この記事は、お世話になった相手へ感謝の品を送る側の手紙を中心にしています。
品物をいただいたことへのお礼状では、受け取った報告、品物への感想、相手への感謝を中心に書くため、文章の組み立てが異なります。
まとめ|お礼の品には短くても感謝が伝わる手紙を添える
お礼の品を送るときの手紙は、長く立派に書く必要はありません。
次の3つが入っていれば、短い文章でも気持ちは伝わります。
- 相手への感謝
- 何についてのお礼なのか
- 品物を送ること
親しい相手にはカードや一筆箋、目上の人や取引先には便箋を使った正式な手紙というように、相手と場面に合わせて形を選びましょう。
言葉に迷ったときは、「感謝の気持ちとして、ささやかな品をお送りします」という基本形から整えると、自然で失礼のない文面になります。

