親戚へ贈り物を送るときは、親しみのある言葉で気持ちを伝えたい一方、相手が年上の場合や、普段あまり交流がない場合には、失礼にならない書き方も気になります。
親戚への手紙は、かしこまりすぎるとよそよそしくなり、くだけすぎると軽い印象になることがあります。相手との親しさや年齢、品物を送る理由に合わせて、言葉の丁寧さを調整することが大切です。
この記事では、叔父・叔母、いとこ、甥・姪などの親戚へ贈り物を送るときに使える文例を、相手との関係や贈答場面ごとに紹介します。
カード、一筆箋、便箋の選び方や、手渡し・同封・別送の違いについては、贈り物に添える手紙の基本と用紙・渡し方をご覧ください。
親戚への贈り物に添える手紙は親しさと年齢で書き分ける
親戚への手紙の丁寧さは、叔父・叔母、いとこなどの続柄だけでは決まりません。
普段どのくらい交流があるか、相手が自分より年上か、今回の贈り物が日常的なものか改まったものかを考えて書き分けます。
親しい親戚には会話に近い温かな表現を使う
普段から行き来があり、電話やメッセージで気軽に話す親戚には、日頃の会話に近い表現を使って構いません。
ただし、品物に添える文章では、文末を「です」「ます」で整えると、親しさを保ちながら丁寧な印象になります。
- いつもありがとう。
- みなさんで召し上がってください。
- またゆっくり会えるのを楽しみにしています。
年上の親戚にはやわらかい敬語を使う
叔父・叔母など年上の親戚には、堅いビジネス敬語ではなく、やわらかい「です・ます調」が適しています。
「ご笑納ください」は贈り物に使える表現ですが、親戚にはやや改まって聞こえることがあります。また、「ご査収ください」は、内容を確認して受け取ってもらう場面で使う言葉なので、親戚への贈り物には向きません。「お受け取りください」「召し上がっていただければ幸いです」と書くと自然です。
- いつも温かく見守ってくださり、ありがとうございます。
- お口に合えばうれしく思います。
- どうぞお身体を大切にお過ごしください。
普段あまり交流のない親戚には近況と気遣いを添える
久しぶりに連絡する親戚には、いきなり品物の説明から始めず、「ご無沙汰しております」などの挨拶を入れます。
家族の近況や季節の気遣いを一言添えると、単なる形式的な贈り物ではなく、親族として相手を気にかけていることが伝わります。
- すっかりご無沙汰しております。
- 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
- またお目にかかれる日を楽しみにしております。
年下の親戚には堅くなりすぎない表現を使う
甥・姪など年下の親戚には、励ましたり応援したりする気持ちを素直に書けます。
ただし、「これくらいは当然」「もっと頑張るように」など、上から目線に受け取られる表現は避けましょう。
叔父・叔母・いとこ・甥・姪で表現はどう変える?
続柄ごとに決まった文章があるわけではありませんが、相手との年齢差や普段の呼び方によって、自然な文体は変わります。
叔父・叔母など年上の親戚
年上の叔父・叔母には、親しみを残しながらも、感謝や健康を気遣う言葉を丁寧に書きます。
普段「叔父さん」「叔母さん」と呼んでいる場合は、無理に改まった呼び方へ変える必要はありません。本文全体を「です・ます調」で整えることを優先しましょう。
いとこなど同世代の親戚
親しいいとこには、友人に近い書き方もできます。ただし、親族として家族ぐるみの付き合いがある場合は、本人だけでなく家族への気遣いを添えると自然です。
普段あまり交流のないいとこには、友人向けのような軽い文章ではなく、ご無沙汰の挨拶や近況を入れましょう。
甥・姪など年下の親戚
甥や姪には、成長や新生活を応援する言葉がよく合います。
結婚や出産をした甥・姪へ送る場合は、子ども扱いせず、一人の大人や家庭を持つ相手として丁寧に書きます。
続柄よりも実際の付き合いの深さを優先する
同じ叔母でも、日頃から頻繁に会う相手と、何年も会っていない相手では、適切な文章が異なります。
「叔父・叔母だから丁寧」「いとこだから気軽」と一律に考えず、普段の関係に合う文例を選びましょう。
場面別|親戚への贈り物に添える手紙文例
ここからは、親戚との間でよくある贈答場面別に文例を紹介します。
親しい相手には会話に近い温かな文章を、年上の相手や普段交流の少ない相手には、挨拶と気遣いを含めた文章を選んでください。
お返しの品を送るとき
いただき物へのお返しでは、品物を受け取ったお礼を先に伝え、その後で送った品について簡潔に説明します。
年上の親戚へ
先日は温かいお心遣いをいただき、ありがとうございました。家族一同、ありがたく頂戴いたしました。ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めて、こちらの品をお送りします。お口に合えばうれしく思います。
「心ばかりの品」を使うか迷う場合は、「心ばかり」の意味と使い方・言い換えで詳しく解説しています。
お中元・お歳暮を送るとき
お中元やお歳暮では、日頃の感謝に加え、季節に合わせた健康への気遣いを入れます。
親しい親戚へ(お中元)
いつも何かと気にかけてくれて、ありがとうございます。日頃の感謝を込めて、みなさんで楽しめそうな品を選びました。暑い日が続きますので、体に気をつけて元気にお過ごしください。
年上の親戚へ(お歳暮)
日頃は何かとお心にかけていただき、ありがとうございます。感謝の気持ちを込めて、季節の品をお送りいたしました。皆様で召し上がっていただければ幸いです。寒さが厳しくなりますので、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
旅行のお土産や帰省時の手土産に添えるとき
旅行のお土産は、選んだ理由や旅先で相手を思い出したことを書くと、気持ちが伝わりやすくなります。
親しい親戚へ
先日、家族で北海道へ行ってきました。おいしそうなお菓子を見つけたので、みなさんにも食べてもらいたくて送ります。ほんの少しですが、旅の気分を楽しんでもらえたらうれしいです。また会ったときに、旅行の話も聞いてください。
普段あまり交流のない親戚へ
ご無沙汰しております。先日、旅行先で当地の名産品を見つけ、皆様にも味わっていただければと思い、お送りいたしました。ささやかな品ではございますが、お口に合えば幸いです。皆様お変わりなくお過ごしのことを願っております。
野菜・果物・地域の名産品をお裾分けするとき
お裾分けでは、相手にお返しの負担を感じさせないことが大切です。
「たくさんいただいたので」「よろしければ召し上がってください」と、気軽に受け取れる理由を添えましょう。
親しい親戚へ
実家から野菜をたくさん送ってもらったので、少しですがお裾分けします。採れたてでおいしそうなので、みなさんで食べてください。気を遣わずに受け取ってもらえたらうれしいです。
年上の親戚へ
このたび、地元の果物をたくさんいただきましたので、少しばかりお裾分けいたします。旬の味を楽しんでいただければうれしく思います。どうぞお気遣いなく、皆様で召し上がってください。
出産祝いへのお返しを送るとき
出産祝いへのお返しでは、お祝いへの感謝と、母子の近況を簡潔に伝えます。
出産祝いをいただいた親戚へ
このたびは、心のこもった出産祝いをありがとうございました。おかげさまで母子ともに元気に過ごしております。ささやかですが、感謝の気持ちを込めて内祝いの品をお送りします。これからも家族ともども、よろしくお願いいたします。
結婚祝いへのお返しを送るとき
結婚祝いへのお返しでは、お祝いへの感謝と、新生活の様子を一言添えます。
結婚祝いをいただいた親戚へ
先日は、私たちの結婚に際し、温かいお祝いをいただきありがとうございました。おかげさまで新しい生活にも少しずつ慣れてまいりました。感謝の気持ちを込めて、ささやかな品をお送りします。今後とも二人を温かく見守っていただければ幸いです。
入学祝いのお礼・内祝いを送るとき
入学祝いは、親戚間では品物でのお返しを必須としない考え方もあります。まずは本人や保護者からお礼を伝え、地域や親族の慣習に合わせて内祝いを贈る場合は、子どもの様子や新しい学校生活への期待を添えます。
入学祝いへのお礼・内祝いを送る場合
このたびは、心のこもった入学祝いをありがとうございました。本人も大変喜び、新しい学校生活を楽しみにしております。ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めてお礼の品をお送りします。これからも成長を見守っていただければうれしく思います。
親戚へお見舞いの品を送るとき
お見舞いでは、病状を詳しく尋ねたり、回復を急かしたりする表現は避けます。
年上の親戚へ
ご入院されたと伺い、心配しております。ささやかではございますが、お見舞いの品をお送りいたしました。今は何よりもゆっくりお休みになり、お身体を大切になさってください。一日も早く穏やかな日常に戻られますよう、心よりお祈りしております。
退院後にお礼の品を送るとき
入院中に見舞いや援助を受けた場合は、退院したことを報告し、支えてもらったことへの感謝を伝えます。
お見舞いをいただいた親戚へ
入院中は温かいお見舞いをいただき、本当にありがとうございました。おかげさまで無事に退院し、自宅でゆっくり過ごしております。心配をかけましたが、少しずつ元の生活に戻ってきました。感謝の気持ちを込めて、ささやかなお礼の品をお送りします。
法事など親族行事で世話になったお礼
法事や親族行事のお礼では、当日に受けた手伝いや気遣いを具体的に書くと、形式的な文章になりません。
法事で世話になった親戚へ
先日の法要では、何かとお力添えをいただき、ありがとうございました。おかげさまで滞りなく終えることができ、家族一同ほっとしております。ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めて品物をお送りいたしました。今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします。
久しぶりに連絡する親戚へ品物を送るとき
疎遠になっている親戚には、ご無沙汰していることを簡潔にわび、家族の近況や再会を願う言葉を入れます。
普段あまり交流のない親戚へ
長らくご無沙汰しておりますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。私どもも家族そろって元気に暮らしております。このたび、故郷の品が手に入りましたので、懐かしく召し上がっていただければと思い、お送りいたしました。またお目にかかれる日を楽しみにしております。
親戚へ品物を郵送するときの少しまとまりのある文例
久しぶりに連絡する場合や、改まったお礼の品を郵送する場合は、カードの一言だけでなく、挨拶から結びまでを含めた少しまとまりのある文章が適しています。
贈り物以外の荷物や、頼まれた品を送る場合は、荷物に添える手紙の書き方と文例をご覧ください。
年上の叔父・叔母へ季節の品を送る文例
ご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
こちらは家族一同、元気に過ごしております。先日、地元で評判の品を見つけ、お二人にも召し上がっていただきたいと思い、お送りいたしました。
ほんの心ばかりではございますが、お口に合えば幸いです。
暑さの厳しい日が続きますので、どうぞお身体を大切にお過ごしください。またお目にかかれる日を楽しみにしております。
普段交流の少ない親戚へお礼の品を送る文例
先日は、温かいお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。
日頃なかなかお目にかかる機会がありませんが、いつも私ども家族を気にかけてくださり、ありがたく思っております。
ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めて品物をお送りいたしました。皆様で召し上がっていただければ幸いです。
季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。
久しぶりの親戚へ故郷の品を送る文例
長らくご無沙汰してしまい、申し訳ありません。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
先日、故郷の名産品をいただき、懐かしい味をぜひ皆様にも楽しんでいただきたいと思い、少しですがお送りしました。
私どもも変わりなく過ごしております。子どもたちも大きくなり、毎日にぎやかに暮らしています。
また機会を見つけて、ゆっくりお話しできればうれしく思います。皆様のご健康を心よりお祈りしております。
メッセージカードに短く添える代表例
気軽なお裾分けや小さなお土産であれば、1~2文の短いメッセージでも気持ちは伝わります。
親しい親戚へ
- いつもありがとう。みなさんで食べてください。
- 旅行のお土産です。気に入ってもらえたらうれしいです。
- たくさんいただいたので、少しですがお裾分けします。
年上の親戚へ
- いつも温かいお心遣いをありがとうございます。皆様で召し上がってください。
- ささやかな品ですが、お口に合えばうれしく思います。
- 季節の品をお送りします。どうぞお身体を大切にお過ごしください。
普段あまり交流のない親戚へ
- ご無沙汰しております。皆様で召し上がっていただければ幸いです。
- 感謝の気持ちを込めて、ささやかな品をお送りいたします。
- 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。またお目にかかれる日を楽しみにしております。
お菓子、お土産、差し入れなどに添える短い文章をさらに探したい場合は、お礼の品やお菓子に添える短い一言・メッセージ文例をご覧ください。
親戚への手紙で避けたい書き方
親戚だからといってくだけすぎない
普段は親しく話している相手でも、品物に添える文章では、命令するような言い方や雑な表現は避けます。
- 余ったから送ります。
- 適当にみんなで食べて。
- いらなかったら誰かにあげて。
「たくさんいただいたので、お裾分けします」「よろしければ皆様で召し上がってください」と書くと、同じ内容でも印象がやわらかくなります。
目上の親戚にビジネス敬語を使いすぎない
年上の親戚だからといって、「平素は格別のご高配を賜り」「ご査収くださいますよう」などのビジネス表現を使う必要はありません。
「いつも気にかけてくださり、ありがとうございます」「お受け取りいただければ幸いです」程度の、やわらかい敬語が自然です。
品物を必要以上にへりくだらない
「つまらないものですが」は、親戚への贈り物でも積極的には使わない方がよいでしょう。
代わりに、「ささやかな品ですが」「お口に合えばうれしく思います」「皆様で楽しんでください」と書くと、品物を悪く言わずに謙虚な気持ちを表せます。
疎遠であることを責めるように書かない
久しぶりに連絡するときは、「まったく連絡をくれませんね」「長い間会いに来てくれませんでしたね」など、相手を責める表現を避けます。
「ご無沙汰しております」「なかなかお目にかかる機会がありませんが」と、自分側から距離を埋める書き方にしましょう。
友達や知人へ送る場合は、親戚とは文面の距離感が異なります。詳しくは、友達・知人への贈り物に添える手紙文例をご覧ください。
まとめ|親戚との関係に合う言葉で気持ちを伝えよう
親戚への贈り物に添える手紙は、叔父・叔母、いとこなどの続柄だけでなく、相手の年齢や普段の付き合いの深さに合わせて書き分けます。
親しい親戚には会話に近い温かな表現を使い、年上の親戚にはやわらかい敬語を使いましょう。普段あまり交流のない親戚には、ご無沙汰の挨拶や家族の近況、健康を気遣う言葉を添えると自然です。
品物の説明だけで終わらせず、相手を思って選んだ気持ちや、これからも親族として付き合っていきたい気持ちを一言加えることで、温かみのある手紙になります。
贈り物に添える手紙全般の書き方や、用紙・渡し方について確認したい場合は、贈り物に添える手紙の基本と文例もあわせてご覧ください。

