地域やマンション内で不審者の目撃情報や空き巣被害があったとき、適切な注意喚起文書を速やかに作成・共有することは、安全な暮らしを守るために欠かせません。
この記事では、不審者情報の回覧文例、警告文のテンプレート、貼り紙・メールの注意点など、実務で役立つポイントをわかりやすくご紹介します。
この記事を読めば、「不審者 通報 メールの書き方がわからない」「空き巣 注意 回覧ってどう書く?」といった悩みがなくなる実践的な内容となっています。
町内会長を長く務めた経験をもとに、地域の防犯を支える自治会・管理組合・町内会の皆さまに、信頼と経験に基づいた情報をお届けします。
不審者に関する注意喚起文書とは?
不審者に関する注意喚起文書とは、地域や施設内で不審な人物の目撃情報や事件の発生があった際に、関係者に注意を促す目的で作成される文書です。
地域で共有すべき「不審者情報」とは
たとえば以下のような情報は、共有することで被害の未然防止につながります。
- 見知らぬ人物が敷地内をうろついていた
- 玄関先でインターホンを何度も押された
- 小学生が下校中に声をかけられた
- 夜間に不審な車が長時間停車していた
空き巣や声かけ事案などの発生時に必要な対応
事案が発生した場合、まずは警察に通報し、次に近隣住民への速やかな情報共有が大切です。
自治会・管理組合が行うべき注意喚起の目的
不安を煽るのではなく、冷静で正確な情報提供により住民の注意を高め、防犯意識を促すことが主な目的です。
不審者注意喚起文書の基本構成とポイント
不審者情報を伝える際には、以下のような構成で簡潔かつ明確に記載することが重要です。
誰が・いつ・どこで・何があったのか明確に
- 事案の発生日時
- 発生場所(町名や建物名など)
- 目撃された人物の特徴(性別、服装など)
- 具体的な行動(声かけ、敷地内立ち入りなど)
住民への呼びかけは冷静かつ丁寧に
例:「念のため施錠の徹底をお願いいたします」
例:「外出時や夜間は特にご注意ください」
警察に通報した場合はその旨も記載
例:「本件については○○警察署に通報済みです」など、行政機関と連携していることを明示するのも信頼につながります。
回覧板・貼り紙・メールでの不審者情報の伝え方
目的や媒体によって、表現や情報量を変える必要があります。
空き巣などの被害防止につながる「回覧板」文例
○○町内会 各位
5月28日(火)の午後4時ごろ、○丁目付近において、見知らぬ男性が複数の住宅の玄関先をのぞき込む姿が確認されました。
現在までに空き巣被害は報告されておりませんが、不審な行動であるため、警察に通報しております。
皆さまにおかれましても、戸締りや外出時の防犯対策を今一度ご確認くださいますようお願いいたします。
○○町内会 防犯担当
マンション掲示板に使える「不審者注意」貼り紙例
居住者の皆さまへ
5月28日(火)午後3時ごろ、当マンション敷地内にて、居住者以外の不審な男性がうろついている姿が目撃されました。
エントランスのオートロックが開けっぱなしになっている時間帯もありましたので、共用部の施錠を確実にお願いいたします。
不審者を見かけた場合は、速やかに管理組合または最寄りの交番にご連絡ください。
○○マンション管理組合
管理組合からの「不審者情報メール」例文
○○マンション住民の皆さま
本日(5月28日)、午前10時ごろ、敷地内で不審な人物の立ち入りが確認されました。
40代くらいの男性で、上下黒い服を着用し、しばらくエントランス付近に立っていたとの報告がありました。
念のため、ドアチェーンや窓の施錠をご確認ください。
同様の事案が続くようであれば、警察に相談のうえ対応を強化いたします。
○○マンション管理組合 防犯係
「通報メール」送信時のマナーと注意点
- 相手のプライバシーを守る表現を心がける
- 名前や住所など個人を特定できる情報の記載は避ける
- 通報済みか未通報かは明示して混乱を避ける
不審者警告文・注意喚起テンプレート例文集
不審者情報を伝える際には、目的や相手に応じて文面を使い分けることが大切です。ここでは、掲示・回覧・メールなどさまざまな場面で使える不審者警告文・注意喚起の例文をご紹介します。場面に応じた言葉選びの参考にしてください。
シンプルに伝える文例(掲示・回覧向け)
地域住民の皆さま
最近、町内で不審な人物の目撃情報が複数寄せられております。
特に夕方から夜にかけて、戸締りや外出時の注意をお願いいたします。
安全のため、見慣れない人物を見かけた場合は、警察への通報をお願いします。
○○町内会
詳しい状況を記す文例(通報・注意喚起向け)
○○マンション居住者の皆さま
本日(6月1日)午前9時ごろ、当マンションのゴミ置き場付近にて、不審な人物がゴミ袋を物色している様子が目撃されました。
管理人が声をかけるとすぐに立ち去りましたが、念のため通報を行っております。
共用部やベランダの施錠をご確認いただくとともに、不審な行動を見かけた際には管理組合までお知らせください。
○○マンション管理組合
子どもや高齢者への配慮を含めた文例
保護者・地域の皆さまへ
通学路周辺で、児童に対して声をかける不審者が出没しているとの情報が入りました。
発生時間は午前7時~8時台が多く、小学校からも注意喚起が出ております。
保護者の皆さまにおかれましては、お子様の登下校時の見守りや、通学ルートの再確認をお願いいたします。
○○町内会 青少年育成部
注意喚起文書を掲示・配布するときの注意点
不審者に関する注意喚起文書を作成・掲示する際には、情報の正確さだけでなく、表現や配慮にも注意が必要です。住民の安心を損なわず、トラブルを避けるためのポイントを確認しておきましょう。
個人情報の取り扱いに注意
- 容姿や行動などの表現はあくまで目撃情報の範囲にとどめる
- 住所や映像、顔写真などは許可なく使用しないこと
住民に恐怖を与えすぎない表現を心がける
- 「危険人物」などの過激な表現は避ける
- 「念のため注意しましょう」といった冷静なトーンを
不審者が誤認だった場合のリスクへの配慮
- 「不審者と思われる人物」とあくまで仮定として記載する
- 後日、誤認であると判明した際には訂正・周知を
まとめ:不審者情報は冷静に、正しく、速やかに共有を
不審者に関する注意喚起文書は、地域の安全を守るための大切な情報伝達手段です。
感情的な表現を避け、事実に基づいた冷静な文書を作成することで、住民間の信頼と防犯意識を高めることができます。
町内会やマンション管理組合の立場から、こうした情報発信を通じて安心できる環境づくりを行っていきましょう。
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