お寺への手紙は一筆箋でもいい?お布施やお礼に添える丁寧な書き方と例文

文机の上に一筆箋の用紙筆ペンが用意されている画像。

お寺への手紙は、法要やお布施のやり取りなど、意外と日常の中に存在します。そんなとき「一筆箋でも失礼にならないのか?」と悩む方は少なくありません。本記事では、一筆箋を使う場面や適切な文例、マナーをわかりやすく解説します。便箋との使い分けや、一筆箋を書くときのコツも紹介しますので、どうぞ参考にしてください。

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一筆箋でお寺に手紙を出してもいいの?

一筆箋は、短い文章を品よく伝えられる便利な文具です。ここでは、お寺宛の手紙としてふさわしいのかどうかを解説します。

一筆箋とは?便箋との使い分け方

一筆箋は、ちょっとした連絡や感謝を伝えるための縦長の紙です。 便箋よりも文字数は限られますが、丁寧な筆致で気持ちを添えるのに適しています。

  • 長文で正式な依頼→便箋
  • 簡潔なお礼や一言添える→一筆箋

と覚えておくとよいでしょう。

お寺への手紙に一筆箋が適している場面

法要後のお礼や、お布施・会費の送付時の添え状など、形式よりも気持ちを表すことが重視される場面では一筆箋が適しています。

  • お布施を郵送する際の添え書き
  • 法要への感謝の一言
  • 行事のお礼やご挨拶

文字数は少なくても、心を込めて書けば十分礼を尽くすことができます。

一筆箋が避けられるべき場面とその理由

次のような場面では、格式を意識して便箋や封書が適しています。

  • 初めての正式な法要依頼
  • 長文で伝える必要のある相談や報告
  • 年始のご挨拶など形式を重んじる便り

一筆箋が失礼というわけではありませんが、略式と捉えられることもあるため、状況を見極めることが大切です。

一筆箋だけでなく、便箋や封筒を使った正式な手紙の書き方も確認したい方は、以下の記事も参考にしてください。
👉 お寺宛手紙の基本的な書き方&例文

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お布施を郵送するときに添える一筆箋の書き方

現金書留でお布施を送る場合、簡潔で礼儀正しい添え状が必要です。一筆箋はその役割を果たします。

お布施を送るときに一筆添える理由

お金だけを封筒に入れると無愛想な印象になることも。気持ちを表す一筆があることで、丁寧な印象になります。 また、金額の明記は避け、目的を簡潔に伝えることが望ましいです。

添え状の基本構成と注意点

一筆箋での添え状は、次のような構成が基本です。

  1. お世話になっている感謝の言葉
  2. お布施の目的(○○回忌供養など)
  3. ご挨拶や結びの言葉

【NGポイント】

  • 金額を明記する
  • 慇懃無礼な表現(回りくどすぎる言い回し)
  • カジュアルすぎる言葉づかい

一筆箋に書く例文(お布施の添え状)

例文①(法要のお布施)

平素より大変お世話になっております。
本日、○○の○回忌法要に際し、心ばかりのお布施を同封いたしました。
何卒よろしくお願い申し上げます。

例文②(お盆のお布施)

いつもご丁寧なご供養をありがとうございます。
本年もお盆のお布施を送らせていただきます。
ご査収くださいますようお願い申し上げます。

例文③(年末年始のご挨拶とともに)

本年も大変お世話になりました。
ささやかではございますが、御礼のお気持ちとしてお納めくださいませ。
新年もどうぞよろしくお願いいたします。
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法要の依頼・お礼を一筆箋で伝えるには?

私自身、父の法要の際に初めてお寺に手紙を書きましたが、最初はどんな言葉を使えばいいか戸惑いました。一筆箋で短くても心がこもっていれば、丁寧なお返事をいただけたことが印象に残っています。

短い文章でも、誠実な気持ちを込めることで、信頼と感謝の気持ちが伝わります。

法要の依頼を一筆箋で行うのはあり?

形式的な依頼には向きませんが、すでに口頭でお願いした後の「念のための確認」として添えるのは問題ありません。

例文①(口頭でお願い済みの場合)

先日お願い申し上げました○○の年忌法要につきまして、何卒よろしくお願い申し上げます。

例文②(確認の意味で)

○月○日の法要の件、改めてお願い申し上げます。
ご多忙の折恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

法要後のお礼を一筆箋で書くときの注意点

感謝の気持ちを簡潔に伝えることが大切です。形式にこだわるよりも、心をこめた言葉を選びましょう。

例文①

先日はご丁寧にご供養を執り行っていただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで無事に供養を済ませることができました。

例文②

お忙しい中、○○の法要をお引き受けくださり、心より感謝申し上げます。
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一筆箋を書くときのマナーとよくある疑問

どんな文具を使えばいいのか?宛名や封筒は?といった細かな疑問にお答えします。

縦書き・横書きはどちらが正しい?

基本的には縦書きが正式です。とくに目上の方やお寺などには、縦書きの方が丁寧な印象を与えます。 万年筆や毛筆タイプのペンを使用すると、より誠意が伝わります。

封筒に入れるべき?そのままでもいい?

  • 手渡し → 封筒なしでも可(クリアファイルなどに添える)
  • 郵送 → 封筒に入れて同封するのが基本

白無地の封筒や和紙封筒を使うと上品です。

宛名の書き方と「御中」「様」の使い分け

  • 住職個人宛:○○住職様
  • 寺院全体宛:○○寺 御中

個人名がわかっている場合は「様」、不明または全体の場合は「御中」を使いましょう。

住職や和尚といった呼び方に迷ったら、敬称の使い分けを詳しく解説したこちらもご覧ください。
👉 和尚と住職の違いとは?手紙に使うのはどっち?

宛名の書き方に不安がある方は、こちらの記事で「御中」や「様」の正しい使い分けを確認しておきましょう。
👉 神社やお寺へ出す手紙の宛名には御中と書けばよい?

まとめ|丁寧な一筆が信頼をつくる

一筆箋は、ちょっとしたやりとりにも心を添えられる優れた道具です。特にお寺とのやりとりでは、短くても丁寧な一言が信頼と感謝を表す手段になります。形式ばらずとも礼儀を守ることで、心のこもったお付き合いが続くことでしょう。


◎本記事で紹介した例文は、ご自身の言葉で少しアレンジすることで、より自然で誠意の伝わる手紙になります。