ビジネス文書や封筒の宛名に「御中様」と書いていませんか?
丁寧にしたつもりが、実はマナー違反だった──そんな失敗、誰にでも起こりえます。
この記事では、「御中」と「様」の正しい使い分けを、実際の失敗談を交えてわかりやすく解説します。
知らずに恥をかく前に、正しい宛名マナーを身につけましょう。
ビジネスの宛名でまさかの失敗…知らないうちに笑われていた
「御中様」と書いていた私の宛名。
そのことが、ある日、思わぬ形で返ってきました――。
A株式会社の営業課に、先輩とは旧知の仲だという加藤さんという人がいました。
ある日、加藤さんが笑いながらこう言ったそうです。
「お前のところに〇〇って社員がいるだろう?女子社員の間では有名人らしいぞ」
なぜかと尋ねると、封筒の宛名に「御中様」と書いていたのがネタになっていたのだとか。
そして、加藤さんは真顔に戻り、こう言いました。
「しっかり教育しないと、お前の会社の恥にもなるぞ」
私は先輩を通して、取引先から間接的に注意を受けたのです。
「なんで誰も教えてくれなかったんだ…」という悔しさと恥ずかしさ。
ここでひとつ、痛感しました。
人は聞かれなければ、間違いをわざわざ指摘してくれない。
それ以来、私は宛名に書く敬称について、
自分で調べるクセがつきました。
「御中」と「様」はどう違うの?
ここからは、私のような失敗をしないために、
「御中」と「様」の違いと正しい使い分け方を解説します。
御中(おんちゅう)とは?(組織宛ての敬称)
「御中(おんちゅう)」は、会社・部署・団体など、個人ではない組織宛てに使う敬称です。
📌 使用例:
- 株式会社〇〇 御中
- △△大学 入試課 御中
※個人名を特定しない部署や全体宛てに送る場合に適しています。
様(さま)とは?(個人宛ての敬称)
「様」は、特定の個人宛てに使う敬称です。
📌 使用例:
- 株式会社〇〇 田中一郎様
- 株式会社〇〇 営業部 佐藤様
※名前が分かっている場合はこちらを使います。
「御中様」はNG!併用がダメな理由
❌ 〇〇株式会社 御中 田中様
❌ 〇〇株式会社 御中様
これらは敬称の二重使用となり、マナー違反とされています。
- 「御中」=団体に対する敬称
- 「様」=個人に対する敬称
この2つを同時に使うと、「団体にも個人にも敬称をつけている」ことになりますが、敬意がかえって過剰・不自然になり、マナー違反とされます。
📌結論:御中と様は、使い分けが基本で併用はNG!
宛名の正しい書き方【シーン別の具体例】
シーン | 正しい書き方 | 備考 |
---|---|---|
会社全体や部署宛て | 〇〇株式会社 御中 | 組織や部署など宛先が個人でない場合 |
担当者が分かる場合 | 〇〇株式会社 田中様 | 名前が特定できるとき |
部署の中の個人宛て | 〇〇株式会社 人事部 田中様 | 所属部署を含めて記載 |
担当者名が不明な場合 | 〇〇株式会社 採用ご担当者様 | 実務上よく使われますが、なるべく名前が望ましい |
封筒やメールの宛名でもルールは同じ
このルールは、封筒の宛名だけでなく、メール本文や件名にも当てはまります。
メールの例
- 正)〇〇株式会社 人事部 御中
- 正)〇〇株式会社 営業部 佐藤様
- ❌ 〇〇株式会社 営業部 御中 佐藤様 → 二重敬語でNG
封筒の例
- 正)〒123-4567
東京都〇〇区〇〇町〇丁目
〇〇株式会社 総務部 御中 - 正)〒123-4567
東京都〇〇区〇〇町〇丁目
〇〇株式会社 総務部 田中様
ついでに押さえておきたい教訓
「御中様」と書いてしまったとき、
誰も社内で注意してくれなかったことが悔しかったです。
でも、あとから思い返すとこう思いました。
「人は、聞かれなければ親切に教えたりしない」
ましてや今の時代は、下手に注意すれば「うるさい」と思われたり、
逆に恨まれることすらあります。
だからこそ、自分で調べる・確認する姿勢が大切。
ビジネスマナーは、「恥をかかないための知識」でもあるのです。
まとめ:御中と様の併用は避けよう
- 「御中」は団体・部署など組織宛ての敬称
- 「様」は個人宛ての敬称
- 「御中様」「御中+様」はNG(二重敬語)
- 丁寧に見えても、マナー違反になることがある
- 正しい宛名マナーを身につけて、相手に好印象を与えよう
よくある質問(FAQ)
Q1. 「御中様」でも失礼にならなければOKですか?
→ マナーとしては避けたほうが無難です。相手が気づいても口に出さないだけで、「知識不足」と思われる可能性があります。
Q2. 名前が分からない場合はどうすればいい?
→ 「ご担当者様」などが実務上よく使われますが、できるだけ名前を調べて使うのが理想です。
Q3. メールと封筒で敬称の使い方は違いますか?
→ 基本的に同じです。「御中」か「様」か、相手が組織か個人かで判断しましょう。
表現を使いましょう。