ビジネス文書やメールで「ご高覧ください」という言葉を目にしたことはありますか? 「ご覧ください」よりも丁寧な印象を与えるこのフレーズは、特に目上の方や取引先に対して、資料や情報を見てもらう際に用いられます。
しかし、その正しい意味や使い方を理解していないと、かえって失礼にあたる可能性も。 この記事では、「ご高覧ください」の詳しい意味から、適切な使用場面、具体的な例文、さらには類語との使い分けまで、網羅的に解説します。これを読めば、あなたのビジネスコミュニケーションがより洗練されたものになるはずです。
「ご高覧ください」とは?その意味と「ご覧ください」との違い
「ご高覧ください」は、「見る」の尊敬語である「高覧(こうらん)」に、丁寧語の「ご~ください」をつけた形で、「(相手が)見てくださる」という意味を持つ敬語表現です。
「ご覧ください」も「見る」の尊敬語ですが、「ご高覧ください」の方がよりかしこまった、丁寧なニュアンスを含みます。相手への敬意を最大限に表したい時や、公的な文書、重要な資料を見てもらう時など、フォーマルな場面で使われるのが一般的です。
「ご高覧ください」の適切な使い方と例文
「ご高覧ください」は、主に文書や資料を相手に見ていただく際に用いられます。特に、相手が重要な立場にある場合や、じっくりと内容を確認してほしい場合に適しています。
メールやビジネス文書での使用例
- 重要な企画書や提案書の送付時
「弊社の新しい企画書を添付いたしました。お忙しいところ恐縮ですが、ぜひご高覧ください。」 - 会社のパンフレットや実績資料の案内時
「弊社の最新のパンフレットを作成いたしました。つきましては、ご多忙の折とは存じますが、ご高覧いただけますと幸いです。」 - ウェブサイトや作品集の紹介時
「この度、弊社のウェブサイトをリニューアルいたしました。よろしければ、一度ご高覧いただければと存じます。」
「ご高覧ください」を使う際の注意点
非常に丁寧な表現である「ご高覧ください」ですが、TPOをわきまえないと不自然になったり、かえって堅苦しい印象を与えたりする可能性があります。
- カジュアルな場面では避ける: 親しい同僚や部下に対しては、「ご確認ください」や「ご覧ください」の方が自然です。
- 口頭では使わない: 基本的に書き言葉として用いられる表現です。会話の中で使うと違和感があります。
- 相手に負担をかけすぎない: 「ぜひ」や「お忙しいところ恐縮ですが」といったクッション言葉を添えることで、相手への配慮を示すことができます。
「ご高覧ください」の類語・言い換え表現
「ご高覧ください」以外にも、資料などの確認を促す表現はいくつかあります。それぞれのニュアンスを理解して使い分けましょう。
ご確認ください
「内容に間違いがないか、確認してほしい」という意図で使われます。「ご高覧ください」よりも汎用性が高く、日常的なビジネスシーンで幅広く使えます。
>「ご確認ください」の意味と使い方を解説
お目通しください
「ざっと目を通してください」という意味合いで、詳細な確認までは求めない場合に用いられます。比較的簡易な内容や、緊急性が高くない資料を見てもらう際に適しています。
>「お目通しください」の意味と使い方を確認
ご査収ください
「内容を確認し、受け取ってください」という意味で、受領の確認まで求める場合に用いられます。請求書や契約書など、受領後の処理が必要な文書に対して使われることが多いです。
>「ご査収ください」の意味と返事の返し方/ビジネスマナーとは
まとめ
「ご高覧ください」は、目上の方や重要な相手に対し、最大限の敬意を払って資料などを見てもらう際に用いる非常に丁寧な表現です。その意味と適切な使い方をマスターすることで、あなたのビジネス文書やメールは一層洗練されたものになるでしょう。状況に応じた使い分けを意識し、円滑なビジネスコミュニケーションを目指してください。