「退職届」や「退職願」を書くとき、名前は署名だけでいいのか、印鑑も押さないといけないのか?
ちょっとしたこですが迷ったりしませんか。違いはどこにあるのでしょうか?
二つの違いと書き方を正しく理解していただき、希望通りに退職するための参考にしていただければと思います。
退職願・退職届を書く際の外せないポイント
いざ「退職願」「退職届」を書くだんになれば、どんな種類・サイズの用紙に書き、どんな封筒に入れて渡せばいいのか気になるところです。
まずは書く前に用意すべきものを解説します。
用意する用紙の色、サイズ、封筒は
用紙、封筒は次のものを用意してください。
用紙の種類
用紙は白紙のものを選んでください。
最も適しているのは、コピー用紙あるいは便箋です。
用紙の罫線は手書きの場合はあると便利ですが、形式上必要なものではありません。
ただし、罫線入りの物を使う場合はビジネス用のもので、余計な模様などが入っていないものを選んでください。
パソコンで作成するなら、ない方がいいですね。
用紙のサイズ
用紙のサイズに決まりはありませんが、
B5サイズをおすすめします。
もちろん、A4サイズでもいいのですが、
書く文字数の配置と用紙とのバランスをみると、B5サイズのほうが全体の収まりがよいのではないかと思います。
封筒のサイズと色
封筒は、B5用紙を入れるのであれば、長4封筒(長形4号 90×205)になります。
B5用紙を横三つ折り、または、四つ折りにして入れます。
A4用紙を入れるのであれば、長3封筒(長形3号 120×235)になります。
A4用紙を横三つ折りにして入れます。
封筒の色は、白または茶色のどちらでも構いませんが、無地の封筒にしてください。
そのほか、郵便番号が印刷されていてもだいじょうぶです。
退職届は手書きでなく、パソコンを使ってもいいのか?
昔は手書きで書くのがあたり前のようでしたが、
今の時代ですからパソコンソフトを利用して作成してもいいです。
自分の名前も印刷していいと思いますが、
丁寧感を出すのであれば、名前は自筆で署名捺印したほうがいいです。
会社によっては、届出の用紙が用意されているといいますから、人事担当者にそれとなく確認されるのも一つの方法です。
「退職届」「退職願」の書き方文例
② 「私儀」または「私事」と書きます。
このような文書を書くときの決め事のようなものです。
③ 退職理由は「一身上の都合により…」と書き、理由を詳しく書く必要はありません。
④ 退職する日付を書きます。
⑤ 会社へ提出する日付を書きます。
⑥ 所属部課名をつけて、署名捺印、または、記名押印します。
⑦ 宛名は、提出する上司の名前でなく、会社の代表者名にします。
退職届に使う印鑑は認印、三文判でいいのか
実印を押すまでのことはありません。
ただ、シャチハタなどスタンプインクを用いたものは使わないほうがいいです。
普段から使用している、認印とか三文判に朱肉をつけて押してください。
退職願や退職届は私信のたぐいではなく、会社に対する正式な申し入れ書なのですから、安っぽいシャチハタを使用すれば常識がない人間だと思われかねません。
退職願と退職届ではどこが違うの
退職願も退職届も、どちらも退職する意思を会社側に伝える文書である、ということにかわりはありません。
ただし、提出する人間の、退職するという意思の重さが違います。
「退職願を会社に差し出す」
という表現と
「退職届を会社に叩きつける」
とでは、退職の意思をつたえる人間の感情は明らかに違いますよね。
退職願とは
退職願には、「退職させてもらえないでしょうか」という会社へのお伺いがこめられています。
したがって、会社が願を受理してくれれば、雇用関係は解約されて、退職となります。
ただし、会社が願いを拒否すれば、退職したくても退職できません。
あるいは、退職を認めるための条件を出されてしまい、退職のあとの計画が狂うこともありえます。
しかし、提出した人間にとっては、会社側が願いを受理する前であれば、気が変わったといって退職願を取り下げることができるというメリットもあります。
決して、「退職届」のへりくだったいい方が「退職願」なんかではありません。
退職届とは
それに対して、退職届はお伺いではなく、一方的に会社側に対して、退職する意思を強くつたえるものです。
退職届を叩きつけることなく静かに渡すにしても、「退職する」という強い決意がこめられています。
一度出してしまえば、あとから取り下げることはできませんし、会社側も受取を拒否することはできません。
何があろうと、退職届を出してから2週間後には雇用関係は解約されて退職することができるという、法的に強い力をもった退職方法です。
世の中、退職届を叩きつけるとはいっても、退職願を叩きつけるなんていい方はしませんよね。
退職願と退職届どちらを出せばいいのか
会社と波風立てずに円満退職したいのであれば、「退職願」を出します。
事前に、直属の上司に退職の意思を伝えて会社側の判断をまちます。、
会社からの許可が出れば、あとは上司の指示に従い、退職日や引き継ぎの打合せをします。
そのあと適当なタイミングで、指示された退職日を退職願に記入して上司に提出します。
あとは、おとなしく退職日を待つだけです。
もちろん、退職に当たっての、健康保険など諸々の手続きはちゃんと担当部署と打合せておかないとダメです。
退職届は最後の手段
本来は退職願でお伺いを出し、円満に事を運ぶのが、嘘でもお世話になった会社に対する態度です。
でも、会社側がどうしても退職を認めてくれないとか、そもそも退職願を出せるような雰囲気でないときは、退職届を突きつけるしか方法はありません。
退職届をだせば、提出してから2週間後には会社との雇用契約は解約されて退職することができます。
これは民法627条1項によって守られている労働者の権利です。
正当な権利は、正当に行使するだけです。
このことで不当な扱いを受けることがあれば、会社所在地を管轄区域にもつ労働基準監督署に相談すれば対処してくれます。
会社だけでなく同僚との間でも、色々とあつれきは生じるでしょうが、どうしても退職したいのであれば強い心を持って行動するしかありません。
まとめ
「退職届」のへりくだったいい方が「退職願」なんかではありません。
退職願は、会社にやめさせてほしいとのお伺いを出すことであって、会社側から認めてもらう必要があります。
一方、
退職届は、退職することを一方的に会社側につたえることであって、会社側から認めてもらう必要はありません。
ただ、できれば退職願を受理してもらい、円満に退職したいものです。