親展できた個人宛郵便を開けてしまった会社は罪になる?

親展できた個人宛親書を開ける女性社員の写真

親展で会社宛にきた個人宛の郵便はどう扱えばよいのでしょうか。

宛先は「社名+部署名+個人名+様」となっています。

郵便物の管理を業務としている貴方は、「親展で個人名も書いてあるけど、会社宛できているから」ということで、開封してもよいのでしょうか?

一般的には、会社宛に届いた郵便は、個人名宛になっていても会社へきたものとして「会社が開封していいよ」というのが通説です。

でも、これは「会社に開封する権利があるから」だと誤解しないでください。

権利ではなく、会社が開封する行為には、業務上の正当な理由があるからだと判断されるからなんです。

では、「親展」と書かれてあった場合でも同じなんでしょうか。

貴方はためらわずに開封できますか?

会社宛に届いた個人宛の親展郵便について解説します。

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親展の開封を規制する法律はあるのか

親展に関する法律の規定は何もありません。

「親展」とは、「名宛人以外の人は開封しないでください」ということなのですが、この「第三者が開けないでください」という差出人の要望には法的効力がありません。

ですから、法律的に考えた場合は、「親展」の表記が有るか、無いかで開封の是非を問うことは無意味です。

問題とすべきは、個人宛の郵便を開封する際には、「正当な理由」がなければならないということです。

この点に絞って、問題を考えないといけません。

なぜなら、第三者が正当な理由なく、他人宛の信書を開封すればその時点で刑法第133条の信書開封罪に問われるからです。

もちろん、親展かどうかなんかはまったく関係ありません。

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会社に届いた郵便を開ける正当な理由ってなに

会社内における業務の一環であることが、正当な理由となります。

請求書在中とか納品書在中などと書かれてあり、

明らかに会社宛にきたものだと分かるのであれば、貴方が開封するのは業務の一部ですから、何も問題ありません。

また、不審物と思われるようなものを開けて調べるのも業務の一環といえます。

ただ、「親展」などと書いてあると、会社宛にきたものと決めつけるわけにもいかず厄介ですよね。

何らかの理由で、自宅ではなく会社宛に送られた個人宛のもので、他人が間違って開封しないように親展扱いにしたとも考えられるからです。

この場合は、「差出人は誰か」が判断の手助けになります。

差出人が

  • 個人名
  • 病院名
  • 法律事務所
  • クレジット会社

など、会社関連先でなければ、個人のプライバシーに関わるものではないかと容易に想像できるはずです。

このような封書を安易に開封して裁判で争うことになってしまった場合には、正当な理由があったと認定される確率は低いと思います。

開封せず本人に渡すのが無難ですね。

だいたい会社宛に親展扱いで送ってくるなんて、普通ではありません。

「会社の人に開けてもらっては困る、本人以外に見られては困る」んだろうなと思うのが自然です。

予期せぬトラブルを避けるためにも、親展のものは、マナーとしても開けないでおくほうがよいです。

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開封に関する社内ルールを決める

誰しも、自分宛てにきている封書を勝手に他人に開かれるのは気分のいいものではありませんよね。

たとえそれが見られても困らない仕事上の書面であってもです。

それに、場合によっては自分の秘密をみられることがあるかもしれません。

郵便物の管理を業務とする人にしても、「会社宛か、個人宛か」いちいち考えるなんて面倒ですよね。

会社宛だと思って開けてみたら、「知ってはいけないものだった」では、双方とも実に気まずいことになります。

アレコレ考えることなく、一番すっきりするのは、開封に関する社内ルールを統一してもらうことです。

そうすれば、色んな意見に振り回されることもなくなります。

社員のみんながルールを共有してくれれば、無用なトラブルも起きないでしょう。

会社を私書箱代わりにされることもなくなるでしょう。

とはいえ、会社を私書箱代わりに使いたくなる気持ちわかります。

だって、家にはなんでもかんでも勝手に開封する手強い人がいますから。

まだ会社の方が安全だと思うんです。

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まとめ

会社宛であっても、個人宛に来た封書を正当な理由なく開封するのは犯罪です。

親展であれば、個人宛にきたものである可能性がより高いので、慎重に扱うべきです。

会社宛か個人宛かを見極めるのは非常に困難なばあいもありますので、迷ったら開封しないことです。

封書の開封に関する社内ルールを統一してもらい社員みんなに周知徹底してもらうことが一番の解決法です。