ビジネスメールや文書で「お目通しください」というフレーズを目にしたり、使ったりしたことはありますか? この言葉は、「ざっと目を通す」という意味合いで、相手に比較的簡易な内容の確認を依頼する際に便利な表現です。
しかし、どのくらいの重要度で、どのような場面で使うのが適切なのか、迷うこともありますよね。この記事では、「お目通しください」の正確な意味から、効果的な使い方、例文、そして類似表現との使い分けまで、わかりやすく解説します。これを読めば、あなたのビジネスコミュニケーションが、よりスムーズで効率的になるはずです。
「お目通しください」とは?その意味とニュアンス
「お目通しください」は、「目を通す」という言葉に丁寧語の「お~ください」をつけた敬語表現です。「ざっと全体を見てください」「内容を確認してください」という意味合いで使われます。
「ご査収ください」や「ご確認ください」のように、細部のチェックや受領後の処理まで求めるほどではない、比較的簡易な確認を依頼したい場合に適しています。相手に大きな負担をかけずに、内容を確認してもらいたいというニュアンスを含みます。
「お目通しください」の適切な使い方と例文
「お目通しください」は、主に情報共有や軽い確認を目的とした場面で活用されます。社内での連絡や、参考資料の送付時など、日常的なビジネスコミュニケーションで頻繁に使われます。
メールや社内文書での使用例
- 会議の議題やアジェンダの共有時
「明日の会議の議題を添付いたしましたので、お目通しください。」 - 社内規定の変更点など、参考情報として見てもらいたい時
「新しい社内規定の変更点を資料にまとめました。ご確認いただきたい箇所に印をつけておりますので、お目通しいただけると幸いです。」 - 簡単な進捗報告の際
「先日お話ししました〇〇の進捗状況をまとめましたので、お時間のある時にでもお目通しください。」
「お目通しください」を使う際の注意点
「お目通しください」は便利な表現ですが、使うべきではない場面もあります。
- 詳細な確認が必要な書類には使わない: 契約書や請求書、重要な報告書など、相手に細部まで確認してほしい書類には不適切です。この場合は「ご査収ください」や「ご確認ください」を使いましょう。
- 目上の相手への配慮: 非常に目上の方や、正式な取引先に対しては、「ご高覧ください」の方がより丁寧な印象を与えます。
- 口頭でも使える: 「お目通しください」は、書き言葉だけでなく、口頭でも比較的自然に使える表現です。ただし、相手への配慮を示す「お忙しいところ恐縮ですが」などのクッション言葉を添えるとより丁寧です。
「お目通しください」の類語・言い換え表現
「お目通しください」と似た意味を持つ表現や、状況によって使い分けたい類語を理解しておきましょう。
ご確認ください
「内容をチェックしてほしい」という、確認の依頼全般に使える表現です。「お目通しください」よりも、少し確認の重要度が高い場合に用いられます。
>「ご確認ください」の意味と使い方を解説
ご高覧ください
「ご覧ください」の最上級の尊敬表現で、相手への最大限の敬意を表す際に使われます。公的な文書や、相手が重要な立場である場合に適しています。
> 「ご高覧ください」の意味と正しい使い方:目上の方への敬意を示す表現とは
ご査収ください
「内容を確認し、受け取ってください」という意味で、受領の確認まで求める場合に用いられます。金銭や契約に関わる文書など、受領後の処理や管理が伴う場合に多く使われます。
>「ご査収ください」の意味と返事の返し方/ビジネスマナーとは
まとめ
「お目通しください」は、ビジネスシーンで簡易な内容の確認を依頼する際に非常に便利な表現です。その意味と適切な使用場面を理解することで、相手に不要な負担をかけずに、スムーズな情報共有や確認を促すことができます。今回ご紹介したポイントを参考に、状況に応じた適切な言葉遣いを心がけてみてください。