相手が喪中のときに寒中見舞いを送る場合、どんな言葉を選べば良いのか悩む方は多いものです。この記事では、喪中の相手に失礼にならない寒中見舞いの基本マナー、避けたい表現、相手別の文例までわかりやすく解説します。友人・親戚・取引先など相手ごとの丁寧な文例もそろえているので、そのまま使える一枚が仕上がります。
相手が喪中のときに寒中見舞いを送る意味
この章では、なぜ喪中の方に寒中見舞いが適しているのかを説明します。失礼がないだけでなく、相手への思いやりが伝わる季節の挨拶であることも理解できます。
なぜ年賀状ではなく寒中見舞いなのか
喪中の方は、新年を祝う「賀詞(おめでとう表現)」を控えているため、年賀状を送ることは避けるのが基本です。そのため、松の内(1月7日頃)を過ぎた寒中のタイミングで、相手を気遣う挨拶として寒中見舞いを送るのが適切です。
なお、喪中のときに年賀状はどう対応するべきか迷った場合は、こちらの記事も参考になります。
喪中のとき年賀状はどうする?欠礼の仕方・文例・宛名のマナー【保存版】
相手に負担を与えない「気遣いの挨拶」
寒中見舞いは、お祝いではなく季節の挨拶のため、喪中でも受け取りやすいという特徴があります。特に「ご自愛ください」など体調を気遣う言葉を添えると、相手の気持ちを和らげる一枚になります。
寒中見舞いを送るべきタイミングと注意点
この章では、喪中の相手に寒中見舞いを送る際の時期と、避けたい行為についてまとめています。適切な時期に投函することで、丁寧な印象を与えられます。
送る時期はいつからいつまで?
寒中見舞いは「松の内が明けた後」から「立春の前日」までに送るのが一般的です。地域によって松の内が違う場合(関西は15日まで)もあるため、迷うときは1月10日以降に出すと安心です。
控えるべき表現・気をつけたいポイント
喪中の相手には、お祝いを連想させる言葉(賀詞・年始の挨拶・干支モチーフなど)は避けます。また「お気を落とさず」など相手の感情に触れる表現も控えめにします。淡い色調・落ち着いた文面が基本です。
喪中の方への言葉選びや返信マナーについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
喪中はがきへの返信の仕方|送る時期・返礼の言葉・失礼にならない文例【保存版】
寒中見舞いの時期についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考になります。
年賀状を出す時期はいつまで?投函期限・遅れた場合のマナーを解説
寒中見舞いで使える基本フレーズ
ここでは、喪中の相手向けに使っても失礼にならないフレーズを紹介します。どの文例にも挿入できる便利な一文です。
季節の挨拶として使える言葉
寒い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか
ご家族の皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます
ひときわ寒さが厳しい折 くれぐれもご自愛ください
相手を気遣うための言葉
ご心痛いかばかりかと拝察いたします
しばらくはお寂しさも続くことと存じますが どうか体調を崩されませんよう
ご無理をなさらず 心身ともに穏やかに過ごされますよう祈っております
季節の挨拶の書き方をもっと知りたい方は、こちらの総合ガイドもおすすめです。
年賀状・季節の挨拶の書き方完全ガイド|文例・マナー・相手別の添え書きまとめ
相手別|寒中見舞いの文例(そのまま使える)
この章では、友人・親戚・取引先という三つの関係性に分けて文例を紹介します。状況に合わせて言い回しを変えることで、より丁寧な一枚になります。
【友人向け】気持ちが寄り添う文章
寒い日が続いていますが お変わりなく過ごしていますか。
このたびのご不幸を知り 胸が痛む思いです。
しばらくは心身ともに大変かと思いますが どうか無理をなさらず ご自愛ください。
寒さ厳しき折 ひとまず寒中のお見舞いまで。
【親戚向け】丁寧で落ち着いた文例
寒さ厳しき折 皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。
このたびのご不幸に際し 謹んでお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆様にとって 心安らぐ日々が少しずつ戻りますようお祈りいたします。
寒中のみぎり 取り急ぎご挨拶申し上げます。
【取引先向け】ビジネスで使える文例
寒冷の候 貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたびのご不幸につきまして 心よりお悔やみ申し上げます。
皆様のご心痛いかばかりかと拝察いたします。
寒さ厳しき折ではございますが どうぞご自愛のほどお願い申し上げます。
一言だけ添えたいときの短文メッセージ
文章を長く書く時間がないときや、はがきの余白が少ない場合に使える「短文の一言」を紹介します。
短くても丁寧に伝わる一言
寒さ厳しき折 どうかご自愛ください
ご無理のないよう 体調を整えてお過ごしください
日々の寒さが和らぎますよう願っております
避けたいNG表現とその理由
この章では、喪中の相手に不適切とされる表現をまとめています。知らずに使うと失礼にあたるため注意が必要です。
お祝い表現はNG
「おめでとう」「賀正」「謹賀新年」などの賀詞は厳禁です。絵柄も干支・初日の出・門松などお祝いを連想させるものは避けます。
相手の感情に踏み込みすぎる言葉
「お気を落とさず」「元気を出して」など励まし過ぎる表現は、かえって心の負担となることがあります。あくまで「そっと寄り添う」姿勢が重要です。
寒中見舞いの書き方マナー(宛名・日付・差出人)
この章では、形式面で気をつけたいポイントを整理します。内容が良くても、書式を間違えると印象が損なわれるため注意しましょう。
宛名は丁寧にフルネームで
相手が喪中の場合、宛名はより丁寧さを意識します。個人の場合はフルネームに「様」、家族全員宛なら「ご家族様」とします。
日付は「〇年〇月」で記載する
寒中見舞いは季節の挨拶なので、日付は西暦または和暦の「年・月」のみが一般的です。〇月〇日のような具体日付は書きません。
差出人は控えめに書く
差出人は住所・氏名を明記しますが、華美な装飾は避け、落ち着いた書体・色でまとめるのが好印象です。
メール・LINEで送る場合の注意点
最近はメールやLINEで寒中見舞いを送る方も増えています。喪中の相手へ送る場合は、より丁寧さを意識した文面にすると印象が良くなります。
件名・メッセージは控えめに
メールの件名は「寒中お見舞い申し上げます」とシンプルにします。LINEの場合は長文になり過ぎず、一言+気遣いの文で十分です。
絵文字・スタンプは避ける
喪中の相手には、にぎやかな絵文字やキャラクタースタンプは不向きです。文章のみで静かに送る方が丁寧です。
寒中見舞いに関するよくある質問(FAQ)
最後に、喪中の相手に寒中見舞いを出すときによく寄せられる疑問をまとめています。
Q1. 喪中の相手に寒中見舞いを出すべき?
必須ではありませんが、気遣いを伝えたい場合や年始の挨拶を控えた際に適しています。
Q2. 喪中はがきを無視して年賀状が届いた時も寒中見舞い?
はい、年賀状の返礼としても寒中見舞いを使えます。ただし賀詞は入れず、落ち着いた文章にします。
Q3. 喪中の相手にはがきより封書の方が良い?
はがきで十分丁寧です。特別親しい相手や深い関係性がある場合は封書でも問題ありません。
まとめ
喪中の相手に寒中見舞いを送るときは、相手への配慮が最も大切です。賀詞を避け、落ち着いた色調のはがきに、短くても気遣いの伝わる文章を添えるだけで、心の距離が少し近づきます。この記事の文例を参考に、相手が負担に感じない優しい一枚に仕上げてみてください。
寒さ厳しい季節ですが、読む人の心が少しでも温かくなりますように──。

