手紙を書くとき、多くの人は「ですます調」を選ぶことが多いでしょう。しかし、場面によっては「である調」を使うほうが適切な場合もあります。例えば、公式な書簡や格式を重んじる文章では、「である調」の方が相応しいとされています。
とはいえ、「である調」を使うと堅苦しくなりすぎたり、目上の人に対して失礼にあたるのでは?と迷うこともあるかもしれません。本記事では、「である調」がふさわしい具体的な場面や、適切な使い方、さらに実際に使える例文を紹介します。
「手紙では基本的に『ですます調』が無難なの?」と疑問を持っている方や、格式ある文章を書きたい方は、ぜひ参考にしてください。
「である調」がふさわしいのはこんな書面
「である調」を使用することで、文章が簡潔で明確になり、フォーマルな印象を与えます。特に、公的な書面や歴史的な書簡などでは、伝統的に「である調」が用いられてきました。以下に、具体的なケースと例文を紹介します。
公式な書簡や厳粛な場面(弔辞・謝辞・案内状)
格式や厳粛さが求められる場面では、「である調」がふさわしいとされています。弔辞や感謝状、公式の案内状などでは、簡潔かつ端正な表現が求められるため、「ですます調」よりも「である調」の方が適しています。
例文(感謝状)
感謝状
貴殿は多年にわたり当社の発展に尽力され、その功績は誠に顕著である。よってここに深く感謝の意を表し、記念品を贈呈する。
令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇
例文(弔辞)
弔辞
故〇〇様のご逝去の報に接し、深い哀悼の意を表する。生前のご厚誼に感謝し、ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げる。
会社・団体の正式な発表(辞令・通知・公文書)
ビジネスの場では、一般的な社内文書やビジネスメールでは「ですます調」が使われますが、辞令や通知、公式発表では「である調」が主流です。これにより、文書が権威あるものとして受け取られ、統一された格式を維持できます。
例文(辞令通知)
辞令
〇〇〇〇を、令和〇年〇月〇日付で〇〇部部長に任命する。
〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇
例文(公文書)
通知
本年度の事業計画について、以下のとおり決定したので通知する。
歴史的・文学的な手紙(手記・回顧録・格調高い書簡)
文学作品や歴史的な手紙では、「である調」が一般的に使われています。これは、文章に重厚感を持たせるためです。特に、歴史上の重要な書簡や公的な記録には、簡潔で厳格な表現が求められます。
例文(歴史的な手紙)
吾が国の未来を考えるに、民の安寧こそが最も大切である。このことを肝に銘じ、常に誠実なる政治を行うべし。
かしこまった報告・依頼文(目上の人への改まった書状)
目上の人に対して改まった依頼や報告を行う場合も、「である調」が適しています。かしこまった文章にすることで、相手に対する敬意を表すことができます。
例文(推薦状)
コピーする編集する推薦状
貴殿におかれては、常日頃より優れた研究成果を挙げ、当学術界に大きく貢献している。その功績を高く評価し、ここに推薦の意を表する。
である調を使う際の注意点
「である調」は格式が高く、明瞭な表現ができる一方で、使い方を誤ると堅苦しすぎたり、威圧的な印象を与えることがあります。以下の点に注意しましょう。
- 必要以上に命令口調にならないようにする
- 例:「この件について、報告せよ。」 → 「この件について、報告することを求める。」
- 相手との関係性を考慮して選ぶ
- フォーマルな場面以外では、柔らかい表現を心がける
- 文体の混在に気をつける
- 「である調」と「ですます調」を適当に混ぜると不自然になるため、文章全体の統一感を意識する
まとめ|『である調』は適材適所で使い分けよう
「である調」は一般的にフォーマルな手紙や公式な場面で使われ、文章に威厳や格式を持たせる効果があります。一方で、カジュアルな手紙や親しい人への手紙には適さないことが多いため、場面に応じて適切に使い分けることが大切です。
基本のルールとしては、以下のように使い分けるとよいでしょう。
✅ 公式な手紙・厳粛な場面 → である調
✅ ビジネスレター・目上の人への書状 → である調 or ですます調(場面に応じて)
✅ 日常的な手紙・親しい人への手紙 → ですます調
適切な文体を選び、相手に伝わりやすく、格式のある手紙を書きましょう。