冬の時候の挨拶｜12月・1月・2月に使える書き出し文・結びの例文まとめ

冬の手紙を書くとき、「どんな季語がふさわしいのか」「12月・1月・2月それぞれで何を書けば自然なのか」と迷う方は多いものです。本記事では、冬全体の季語はもちろん、月別に使える書き出し文・結びの文を用途別にまとめました。ビジネスから友人・家族向けの挨拶まで、そのまま使える文例をご紹介します。

冬に使える代表的な季語と書き出し文

この章では、冬の手紙でよく使われる季語と、それを取り入れた書き出し文をご紹介します。12月・1月・2月の三つの時期に分けてまとめていますので、送る時期に合わせてお選びください。

・初冬の候、いよいよ年の瀬が迫ってまいりました。
・師走の折、何かとご多用のことと存じます。
・寒気いよいよ深まる頃、皆さまお変わりございませんか。
・向寒の折、体調など崩されていませんでしょうか。

・厳寒の候、いよいよ寒さが身にしみる季節となりました。
・大寒の折、皆さまにおかれましてはご健勝のことと拝察いたします。
・寒冷の候、ますますご自愛のほどお願い申し上げます。
・新春とは名ばかりの寒さが続いておりますが、お元気でお過ごしでしょうか。

・残寒の候、春の訪れが待ち遠しい頃となりました。
・余寒の折、くれぐれもお身体をお大事にお過ごしください。
・立春とはいえ、寒さの続く日々でございます。
・春まだ浅く、日ごとに寒暖差のあるころですが、お変わりございませんか。

ビジネスの場では、丁寧で形式的な挨拶文が好まれます。この章では、社外・取引先とのやり取りで安心して使える文例をご紹介します。

・厳寒の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
・向寒の折、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
・寒気厳しき折、貴社の皆様におかれましてはご壮健の由、何よりに存じます。

・寒さ厳しき折、皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
・向寒のみぎり、どうぞご自愛くださいますようお願い申し上げます。
・寒冷の候、貴社の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。

親しい相手には、難しい季語を使わず、やさしく季節感を伝える表現が向いています。

・寒い日が続きますが、元気にしていますか。
・朝晩の冷え込みが一段と強くなりましたね。
・こたつが恋しい季節になりましたが、お変わりありませんか。
・吐く息も白くなる季節、風邪などひいていませんか。

・寒さに負けず、あたたかくして過ごしてくださいね。
・春の気配が感じられる日まで、お互い体調に気をつけましょう。
・温かい飲み物でも飲んで、ゆっくり休んでください。

冬の挨拶文は季節感が出しやすい反面、使い方を誤ると不自然に感じられることがあります。ここでは避けたい表現や注意点を簡潔にまとめました。

・「寒さに震えております」などネガティブすぎる表現
・誤用しがちな「小寒の候」「大寒の候」を12月に使うこと
・ビジネス文書で砕けすぎた季語を使うこと

・季語は時期に合わせて使う（初冬・真冬・晩冬）
・相手との関係にふさわしい丁寧さを選ぶ
・結びの文は「相手の健康を気遣う」方向へまとめる

冬の時候の挨拶は、季節感を伝えるだけでなく、相手への気遣いを丁寧に示す大切な要素です。送る相手や時期に合わせて言葉を選ぶと、より心のこもった手紙になります。この記事の文例が、皆さまの日々の手紙づくりの一助となれば幸いです。

甚兵衛より──冬の手紙は、寒さの中にもあたたかさを届ける気持ちで書いてみると、自然と良い文章になりますよ。